楽しい事や、嬉しい事、幸せな気持ちはわかちあうことができる。
一緒に笑ったり、ふざけたい、はしゃいだり、愉快な時間をともに過ごせる。

しかし、苦しみや悲しみを共有することは難しい。
難しいどころか、できないといった方がよいかもしれない。
痛みを想像することはできる。
けれど、その苦しみや哀しみに同化することはできない。
時にはそれが自分の身におきたことではないことに安堵し、
その気持ちに気づき、負い目を感じ、罪悪感を持ってしまう。
慰めや励ましの言葉を口にしようとすると、
その空しい陳腐な響きに気づき、黙り込んでしまう。
その沈黙のなかで幾つもの夜があけていく。

2011年 10月9日 浜田省吾

鋭い感性と表現力です。心に響きますね。